司法書士試験に合格した人から必ずと言っていいほど出る質問が
独立はどのタイミングですればいいの?
という事です。
中にはこういった質問を実際先輩司法書士に聞いたけど「はっきりした答えを聞けなかった」という人もいるかもしれません。
なので、今回はそんな人に対してビシッと私が考える答えを解説していきます。
今回のメニューはコチラです。
- 私の考える司法書士の独立のタイミング
- 勤務の今から始められる開業準備
- それでも開業が不安な方へ
なお、今回この記事を書いた私のプロフィールはコチラです。
実際に独立を経験した私が考えるリアルな内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください!
それでは本編にいきましょう。
私の考える司法書士の独立のタイミング
例によって私のブログでは答えは最初に言いますので、今回も結論を1番最初に。
✅私の考える司法書士の独立のタイミング
わからない事を自分で調べて自分の考える結論を出せるようになった時
厳密にいうとタイミングというより「独立の条件」に近いかもしれませんが、私がこう考える理由を解説していきます。
どれだけ業務を覚えれば独立できる?
中には司法書士の業務全てを一通りやってからでないと独立できない、と考えている人もいるかもしれません。
それがもちろん間違いなわけではありませんが、そうなると一通り業務を覚えるないしは、経験したことがないと独立できないことになってしまいます。
そもそも司法書士の業務は広いのでそれを一通りやるとなると相当な時間もかかりますし、自分が勤務する司法書士事務所が、業務をどれだけ広いかにかかってしまいます。
また、ぜひ想像して欲しいのですが、もしあなたが仮に司法書士の業務を一通り覚えたとして、それでもまだやった事のない案件が来た場合にはどうしますか?
法律の改正により新たな業務が増えるようなときでも依頼を断ってしまいますか?
これらの事はどういうことかというと、答えを「経験則」で導き出そうというマインドであると言えます。
司法書士になった後、あなたは何を基準に物事を判断しますか?
それは経験ではなく「法律」を基準に物事を判断すべきです。
また、法律といってもその解釈や論理構成があります。
こういったマインドで案件を解決できるようになるとそれは司法書士として一人前になった証であるとも言えます。
逆に言えばこういった思考で案件に臨めるなら、司法書士としての実務経験が少なくてもいわゆる「ソクドク(即独立)」も可能かもしれません。
実際にソクドクでも事務所を大きくした人は過去に何人もいるように、経験だけが司法書士としての独立のファクターでないことを証明してくれています。
「自分で調べる」事こそ司法書士の本質
「調べる」という事をするときに真っ先にネットの情報を思い浮かべる人もいるかもしれません。
でもそれはNG!
司法書士という資格を有する者がネットの情報を根拠として論理構成する事はあってはならないです。
理由はもちろんソース(情報源)が不明確だからです。
もちろん参考程度にネットの情報を見ることは私もありますが、情報の出所が不明確であるのに、それを根拠に法務局や役所に打ち合わせはしません。
当たり前ですが、法律を根拠にした論理構成をしなければなんの意味もないのです。
受験勉強の時から「条文を引くようにしろ」という意見はこういったことも見越して言われていたんですね。
しかし、それでも実際にわからないことがあったり、自分の調べていることが正しいのか不安になる時はあると思います。
そんな時は是非仲間や先輩に相談する事は大事なことです。
ポイントとしては最初から聞くのではなく、まずは自分で調べてみてそれでもわからなかったら誰かに頼る、という方が自分のためにもなるし、相手にとっても失礼がないので、その事を忘れないようにしてください。
自分で考えて結論を出すことは案外難しい
前述したように、「まずは自分で調べる」と同様に、「自分で考えて結論を出す」ことができるようになる必要があります。
そもそも司法書士業界(一般社会でも同様ですが)では、「わからないから1から教えてください」はタブーです。
これは特に法務局との登記の照会の際に色濃く反映されますが、「私は、これこれこういう理由だからこのように考えますがいかがですか?」という尋ね方になります。
それに対し法務局が、「いや、こうですよ」とか「貴見のとおり」のような回答がきます。
法務局側からしても、司法書士から質問が来た場合、あなたがどれだけの実務経験があるかどうかは勘案されません。
一司法書士であれば、あなたはどのように考えているかを言いなさい、それが正しいか間違っているかを判断します、ということになります。
「このようにすればいい」という解決策を教えてくれるわけではないのが法律の世界です。
自分で問題点を整理し、調べ、解決できる力がついた時が独立のタイミング!
解決できる力がつくかはその人の資質やそれまでの経験が影響し、どれくらいで身につくかは個人差があります。
とは言え、本当にわからないときには相談するのも重要。
自分一人で抱え込むのも危ないよ!!
勤務の今から始められる開業準備
結構独立あるあるなのですが、独立前に「もっとやっておけばよかった」という事があります。
というのも独立してからでは日々の業務があり時間がない場合がほとんどです。
なので、今これを読んでいる人は独立する前の人だと思いますのである意味ラッキーかも。
今回はそんな独立前の勤務の今だからこそできる開業準備をご紹介します。
- 営業
- 経営
- 経理
司法書士になったからといって仕事が来るなんて時代はとうの昔に過ぎました。
何より司法書士も独立すれば一経営者。
勤務の今だから心置きなくできる事なのでぜひ今から準備しましょう!!
営業
一番大事です。
にもかかわらず、勤務の時から営業活動をしている人はほとんどいないのではないでしょうか。
実際に営業というのは効果が出るまで時間がかかります。
「開業してからでいいや」なんて考えていると痛い目を見ます。
また、開業のタイミングに近い意味合いもありますが、どれだけ多くの人に「早く開業してよ!あなたに仕事をお願いしたいんだから!!」と言ってもらえるようになるかがカギです。
もしそんな人が多く現れたらそれは本当の意味で開業のタイミングと言えるでしょう。
なお、実際に私が開業準備の際にした営業関連をご紹介しますので参考にしてみてください。
- 朝活
- 地域の団体に所属
- 異業種交流会
- ブログ、SNSの発信
経営
大きな意味では経営論的なことですが、実際には業務ソフトはどうする?とか複合機はどうする?事務所は借りる?のような事を実際に独立する気持ちで考えておくことのほうが先決です。
まずは身近な所で、今働いている事務所がどんな備品でいくらかかっているか?を参考にするのもありです。
経理
意外と盲点というか、実際に開業して頭を悩ましている人が多い問題です。
日々の現金出納帳は自分でできたとしても確定申告はどうするかなど、色々な問題があり、地味に時間を持ってかれがちな仕事です。
私は、開業して税理士さんも開拓したので、そちらでお願いすることにしました。
私自身経理、税務関係が不得手でそう言ったことに時間を取られたくないと考えたからです。
しかし、事前に準備する段階であれば簿記をちゃんと勉強しておけばよかったと後悔しました。
経理はできないより出来た方が確実に良い分野です。
時間が多くある方はぜひこの機会に学んでおいて損はないと思います。
営業・経営・経理だけであってもどれだけ時間があっても足りないくらい重要なモノ。
独立前からこれらをしっかり準備していれば開業スタートダッシュは間違いない!!
それでも開業が不安な方へ
独立開業ができるのは司法書士という資格の大きなメリットでもありますが、その責任の重さはとても大きく不安に感じる人もいるかもしれません。
当然、独立だけが司法書士ではありません。
近年では司法書士法人も増加しその働き方はさながら一般の会社と変わりありません。
勤務司法書士として働き続けるのもありで、もし独立したくなったらすれば良いですし、そのまま司法書士法人の幹部クラスになるという道もあるかもしれません。
しかし、あなたがどんな司法書士になりたいかは朧げながらも考えておくほうが良いでしょう。
それによっては所属する事務所が重要になるからです。
なお、自分に合う事務所の選び方について解説した記事がありますので、よかったらそちらもご覧ください。
独立だけが司法書士じゃないです。
そうなると今の事務所環境を考え直してみるのもアリ。
まとめ
- 独立のタイミングはわからない事を自分で調べて自分の考える結論を出せるようになった時
- 勤務の今だからこそ営業、経営、経理を
- 独立だけが目標ではないが、今いる事務所を考え直してみるのもアリ
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