【司法書士試験合格者解説】登記原因証明情報とは?

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司法書士試験を受けている人であれば知らない人はいないであろう「登記原因証明情報」。

しかし実際のところどんな書類なのか詳しくわからないまま勉強している人がほとんどではないでしょうか?

試験では実際にそこまで深く問われることはありませんが、具体的にイメージできるようになると様々なメリットがあります。

なので、今回は以下のような疑問を持った人に読んでもらいたい記事です。

  • 登記原因証明情報って実際には何を書くの?
  • 登記原因証明情報の実務的な取り扱いは?
  • 登記原因証明情報が不要な場合は?

✅この記事を書いた人

社会人として働きながら司法書士試験に5回目で合格することができました。

合格後は個人事務所・決済事務所・司法書士法人を渡り歩き、実務経験は10年以上になります。

詳しいプロフィールはこちらですので、興味のある方はチェックしてみてください。

それでは解説に入りましょう!

登記原因証明情報とは

登記申請における登記原因証明情報の提供は以下の条文で規定されています。

(登記原因証明情報の提供)

第六十一条 権利に関する登記を申請する場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。

では実際に記載する事項は何なのかを詳しく見ていきましょう!

記載事項

登記原因証明情報の記載事項は以下の通りです。

登記申請情報の要項

  1. 登記の目的
  2. 登記の原因
  3. 当事者(ここは署名じゃなくてOK)
  4. 不動産の表示

これを見てピンと来る人もいるでしょうが、要は登記申請書に記載する事項と同じという事です。

「登記原因証明情報」なので、登記申請書の記載事項とリンクしてくるのは当然と言えます。

登記の原因となる事実又は法律行為

言葉で説明するよりも実際の例を見てもらった方が早いと思います。

売買の場合の記載は以下のようになります。

(1) 甲と乙は、○年○月○日、上記不動産の売買契約を締結した。

(2) (1)の売買契約には、本件不動産の所有権は、甲が売買代金を支払い乙がこれを受領したときに甲に移転する旨の特約が付されている。

(3) 甲は○年○月○日乙に売買代金全額を支払い、乙はこれを受領した。

(4) よって、本件不動産の所有権は、同日、乙から甲に移転した。

事実と法律行為を必要十分な量だけ記載します。

こういった記載の仕方は、司法書士試験合格後にやってくる認定試験へ向けた要件事実でまた会うことになります。

詳しくは割愛しますので、合格後をお楽しみに!

日付・提出先

登記申請の提出日を記載し、「○○法務局(○○支局、○○出張所)御中」と記載します。

当事者の署名・押印

「上記の登記原因のとおり相違ありません。」と記載し、甲乙それぞれの住所・氏名を記載し、押印してもらいます。

司法書士の事務所所在地・氏名・登録番号・職印

法令上の決まりがあるわけではありませんが、例えば決済の場合などでは、司法書士がその売買を立ち会ったという証明でもあるので、記載押印が一般的です。

▼司法書士はなぜ決済に行くか解説した記事はこちら

登記原因証明情報の実務的な取り扱い

ここからは登記原因証明情報の実務的な取り扱いについて数点解説していきます。

押印義務

登記原因証明情報に押印義務はありません。

ということは実印は不要という事になります。

しかし実務ではほぼ実印で押印していただくことになります。

ただ決済の場面で何も言わないと、お客様から「実印で押しますか?」と聞かれます。

そんな時は私は「登記用の書類なので皆様実印で押印していただいております」とぼやかします(笑)

今まで何百件と決済に立ち会いましたが「登記原因証明情報は押印義務がない書類じゃないか!」とお客様に突っ込まれたことは一度もありません。

もし言われても「本人確認の一環なので実印で押印していただいております」と申し添える準備はしています。

差入形式(報告形式)の場合

呼び方はいろいろありますが、実務だと差入形式・報告形式の登記原因証明情報が登場する場面があります。

これは何かというと、登記原因証明情報は一般的に権利者・義務者で署名等してもらいますが、便宜的に義務者のみからの署名もしくは記名押印をもらってできた登記原因証明情報を指します。

私文書と公文書の場合

登記原因証明情報というと上記のように権利者と義務者が記載された私文書をイメージしますが、例えば単独申請の場合でも登記原因証明情報は必要になりますよね?

単独申請で代表的なものが所有権登記名義人表示変更登記だと思いますが、この場合の登記原因証明情報は住民票の写しになります。

まぁ単純に住所の変更を証明する書類が住民票の写ししかないと言われればそれまでですが、名変は単独申請のため私文書で証明するのではなく、公文書を登記原因証明情報とすることによって、登記の申請を担保していると言われています。

登記原因証明情報が不要な場合

登記原因証明情報は登記申請に必要な書類ですが、不要な場合もあります。

  1. 所有権保存登記(不動産登記令第7条3項1号)
  2. 処分禁止の登記に後れる登記の抹消
  3. 混同によって権利が消滅したことが登記記録上明らかである場合の権利の抹消登記
  4. 買戻しの期間が満了したことが登記記録から明らかな場合の期間満了を原因とする買戻特約の抹消登記
  5. 法律によって申請人の権利承継が生じ、通達等で認められた場合

ここら辺は司法書士試験受験生であればマストで覚えておかなければならない箇所なので、是非覚えましょう。

まとめ

今回は登記原因証明情報について詳しく解説しました。

司法書士試験受験生にとっては、わからないことや具体的に想像できないことがあってもそれをうまくやり過ごす力も必要ですが、勉強の負担にならない範囲でどんなものかをイメージできるようになることはわからないよりも数倍身につきます。

このブログではそういった受験生のわからないことやイメージしにくいことについてもお伝えしていけるようにしますので、是非「ここを教えてほしい!」とか「これってどういう場合?」などありましたら気軽にコメントしてもらえれば嬉しいです!!

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