司法書士試験の午前の部は難易度も上昇傾向にあり対策に悩んでいる受験生も多いと思います。
今回は司法書士試験の午前の部の対策と各科目の勉強方法について解説します。
この記事を書いた私のプロフィールはこちらです。
社会人として働きながら司法書士試験に5回目で合格しました。
長い受験生活の体験をもとに受験生から合格者までが役に立てるような記事をたくさん書いています。
なお、司法書士試験の概要についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、まだご覧になっていない方は先にチェックをお願いします。
司法書士試験午前の部の対策
司法書士試験には午前の部で足切りとなる基準点が設けられており、まずはこの基準点を越えなければ合格は絶対にありえません。
そしていきなり結論から述べると、
午前の部の対策はズバリ民法と商法(会社法)です。
理由の前にまず、以下の2つの表をご覧ください。
午前の部の科目と問題数
科目 | 問題数 |
憲法 | 3問 |
民法 | 20問 |
刑法 | 3問 |
商法(会社法含む) | 9問 |
過去の午前の部の基準点
午前の部の基準点 | 正答数 | |
2022年度 | 81点 | 27問 |
2021年度 | 81点 | 27問 |
2020年度 | 75点 | 25問 |
2019年度 | 75点 | 25問 |
2018年度 | 78点 | 26問 |
2017年度 | 75点 | 25問 |
2016年度 | 75点 | 25問 |
2015年度 | 90点 | 30問 |
これらのデータから言えることは、
民法と商法(会社法)が満点を取れれば基準点はほぼ越えられると言ってもいいということです。
もちろんそううまくは行かないのですが、これはそのまま勉強の比重ととらえることもできます。
極論、憲法と刑法は全く勉強しないで司法書士試験に合格する人はいるかもしれないが、民法と商法(会社法)を全く勉強せずに司法書士試験に合格する人はいないです。
このように司法書士試験においては民法と商法(会社法)の勉強時間に如何に時間を割けるかが基本であり最大の対策であると言えるのが理由です。
次章では午前の各科目の勉強方法について解説します
午前の部各科目の勉強方法
民法
民法については出題箇所は全てであると認識しましょう。
各条文の理解はもちろんのこと、判例も数多く学習しなければなりません。
しかし、判例については「量」よりも頻出箇所の判例をしっかりと理解することを心がけると良いです。
過去に出題されていないけどこれから出るかもしれない判例を追うより、過去問で出題された判例をきちんと理解することが取りこぼしをなくすという意味でも大事だからです。
近年では頻出問題に少し手を加えたような応用問題もあり、如何に引っかからずにちゃんと理解しているかが問われたりもします。
普段の勉強から漫然と過去問を解くのではなく「こういう場合はどうなんだ?」とか「自分が問題を作るならこうする」など想像力を使って学習すると応用問題にも対応できるようになるのでおすすめです。
民法の範囲は広いですが、司法書士試験全体に共通して言える通り、知識量を問うのではなく、基本の理解度を問われます。
範囲の広さに怯えて手を広げすぎては司法書士試験の迷宮に迷い込んでしまいますので、ここはどうか私を信じていただいて、「基本」を完璧にしてください!!
商法(会社法)
会社法は他の科目とは異なり、とっつきにくさから理解するのに時間がかかります。
また他の教科と比べて会社法の過去問が少ないので勉強方法に困る受験生も多いのではないでしょうか。
そんな時はやはり基本に戻って基本書と条文を中心に勉強するのがおすすめです。
会社法は例えるならパズルを解くときのような思考が必要になります。
判例からの出題より機関設計に代表されるような、「この場合はこう」といった理解を完璧にするようにしましょう。
憲法
憲法は条文の知識よりも圧倒的に判例の知識を問われます。
というか憲法の勉強のほとんどが判例の理解に充てられることになると思います。
憲法は過去問も少ないので、中には他資格の過去問をおすすめしている人もいますが私は否定派です。
他資格の過去問は同じ憲法であっても設問の仕方や出題意図が司法書士試験とは若干異なるからです。
まずは、司法書士試験の過去問を完璧にすることを念頭に置き、全ての教科も完璧である自信がある人だけ参考程度にやるのはいいと思いますが、初学者であればおすすめはしません。
憲法にはなるべく時間をかけず、コンパクトな学習になるようにしましょう。
刑法
贈収賄や放火・失火の罪に代表されるように複雑な場合分けが多く問われやすい科目です。
とは言え、刑法単体でも本来であればかなり奥の深い分野なので深追いは禁物です。
憲法と同様に基本的な部分をしっかりと抑えて、コンパクトに勉強するのがコツになります。
問題数が3問と少ないため、過去問のボリュームを多くはないので、過去問レベルの問題を完璧にするようにしましょう。
他の記事でも何度もお伝えしていますが、基本が超大事!
そして、「基本=過去問を完璧にする」
司法書士試験合格のための極意です!!
まとめ
司法書士試験の午前の部は例年基準点が高くなる傾向があります。
基準点を越えるためにも8割正解できる程度の実力が欲しい所。
問題数にすると35問中28問で8割です。
難易度も年々上がっている中でこれだけの正解をするのは至難の業です。
ただ闇雲に勉強していても合格には近づけません。
いかにポイントを押さえて効率よく勉強するかが短期合格の鍵とも言えます。
しかし、これから司法書士の勉強を始めようと思っている人には「基本」とか「ポイント」とか「効率よく」ということはよくわからないと思います。
こちらの記事で司法書士試験に合格する人の特徴を解説しましたので気になる方は是非チェックしてみてください。
また、司法書士試験合格にはスクール選びも重要なので、私が本当におすすめする通信講座をランキング形式にまとめましたので、こちらもよかったらご覧ください。
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